a.戦略の構造と関係性
企業戦略はコーポレート・ビジネス・機能の3層で構成され、上位戦略が下位の方向性を規定します。各層の整合性(アラインメント)が競争優位の源泉となります。
1). 戦略の3層構造と整合性
【Policy】考え方・ポリシー

戦略間のつながり
企業の戦略は「何をやるか」「どう勝つか」「どう実行するか」の3層で成り立ちます。上位の意思決定が下位の選択肢を規定するため、3層の整合性(アラインメント)が一貫した競争行動の前提になります。
- コーポレート戦略(全社レベル)― 事業ポートフォリオの選択・撤退、資源配分の優先順位
- ビジネス戦略(事業レベル)― 対象市場と競争方法の選択(コスト・差別化・集中)
- 機能別戦略(部門レベル)― 研究開発・製造・販売・人事など各機能の方針
- 上位戦略が変われば下位戦略は連動して見直す。逆算が効かない場合は「戦略の空白」が生まれる
※ 3層が整合していない組織では、現場が「言われたことをやっているが成果が出ない」という状態に陥りやすい。まずコーポレート戦略を明文化することを優先してください。
2). 主要フレームワークと使い分け
【Method】手法・理論
図:アンゾフマトリクス・ポーター競争戦略の対応関係(ダミー)
戦略の立案・評価で頻繁に用いられる主要フレームワークを整理します。局面によって適するツールが異なるため、「何を決めたいか」を先に定めてから選択することが重要です。
| フレームワーク | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| アンゾフマトリクス | 成長方向の選択 | 市場×製品の2軸でリスクを可視化 |
| ポーター競争戦略 | 競争優位の定義 | コスト・差別化・集中の3類型 |
| BCGマトリクス | 事業ポートフォリオ評価 | 市場成長率×相対シェアで4象限 |
| 戦略マップ | 戦略の因果連鎖の可視化 | BSC の4視点を縦断するロジック |
- フレームワークは「考えるための道具」であり、結果を自動的に導くものではない
- 複数のフレームワークを重ねて使うことで死角を減らせる
- 過去の成功パターンへの固執(コンピタンス・トラップ)に注意
※ BCGマトリクスは成長率とシェアのみで評価するため、技術変化が激しい市場では補正が必要です。定性的な強み・弱みと組み合わせて使用してください。

